悪魔という存在①常に働く「重力」

①悪魔

ここでは、霊的真理を理解するための上位概念として「悪魔」を取り扱っていきます。

内容は、具体的に自分のこととして当てはめて読むというより、抽象的な概念が中心になります。

ただ、読み進めるうちに点と点がつながり、あとから立体的に理解できるはずです。

悪魔は「邪悪 vs 聖なるもの」という単純構造ではない

悪魔という言葉を聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか。

もしかしたら、どこかおとぎ話やフィクション、宗教で使われる象徴のように感じる人もいるかもしれません。

しかし、Yuukaの霊的視点では、悪魔は想像以上に、現代のわれわれの生活に、深く密着している存在です。

また、悪魔というと、悪魔と天使、そして「邪悪 vs 聖なるもの」という図式を想像するかもしれません。

ですが、そのような「邪悪 vs 聖なるもの」という単純構造で捉えると、本質を見失います。

ここで扱う悪魔は、表面的にわかりやすい善悪っぽさではなく、「魂を正しい成長軌道から降ろす働き」という機能の話です。

中庸とは、その外れた軌道から離れて、ちゃんと真ん中に立ち戻る力だと捉えてください。

この記事では、「悪魔の構造」と「その機能」を、できるだけわかりやすく整理します。

魂を正しい方向へ成長させていくための「構造の理解」として、活用してください。

いかにも邪悪で暴力的なものだけではない

悪魔的存在(災いをもたらすとされる霊的存在)の概念は、古代の宗教や神話を見ても繰り返し登場してきました。

歴史をさかのぼると、悪魔的なものへの信仰が、人々の生活に入り込んできた形跡もあります。

(いわゆる悪魔崇拝など)

つまり、悪魔的存在の概念は、古代から今日まで、普遍的に扱われているということです。

ここで一つ、Yuukaが10代の頃に読んで衝撃を受けた本があります。

トリイ・ヘイデン著『幽霊のような子』です。ノンフィクションとして書かれています。(書籍ページは本文末に置いておきます)

この本には、悪魔崇拝の家庭で行われる儀式や、その儀式によって心が支配されていく様子が、痛ましい形で描かれています。

読んでいて息が詰まるような内容で、まだ10代だった私は、当時衝撃を受けました。

ここで大事なのは、「悪魔の働きは、このような露骨に暗くて分かりやすい形だけではない」ということです。

実際の悪魔的構造は、いかにも邪悪で暴力的なものから、一見するとむしろ仏様のように見えるものまで、幅が広いのです。

「いかにも悪そうなもの」だけに悪魔のイメージを持っている限り、本当の悪魔的構造を見抜くことはできません。

悪魔という存在を知るうえで覚えておいて頂きたいのが、

「魂を正しい成長軌道から降ろす働き」が、どのように私たちの心の隙に忍び込むのか

これを、マクロの構造として正しく捉えることです。

悪魔は「機能そのもの」

悪魔というと、意思を持った一つの「人格」のように思われるかもしれませんが、そうではありません。

それ自体」は意思のないエネルギー体であり、「機能そのもの」です。

何かにそのエネルギーが宿ったり、集団の意向や、場の空気感として働いたりすることで、現実の中に具体的な作用として現れるものです。

そしてその機能は、「魂の成長システムを根本から止める」ベクトルへ向かわせる働きがあります

常に働く「重力」のようなもの

たとえば、地球上に常に働く重力のように、悪魔のエネルギー体は常に働く機能です。

目に見えなくても、感じなくても、全ての魂がその悪魔の重力」の影響を受けて生きている、ということです。

地球上では、筋肉がなければ重力に抗って立つことはできませんよね。

踏ん張れないし、そのまま倒れていってしまいます。

それと同じです。

悪魔の重力に抗う力がなければ、気づかないうちに傾いてしまいます。

魂はまっすぐに立つことはできません。

では何が、魂にとって「まっすぐに立つ筋肉」なのでしょうか。

それが

自ら秩序を守り、調和しようとする力。

極端へ走らず、中心感覚を思い出し、中庸に立ち戻ろうとする力。

です。

この力がある限り、悪魔の重力の中でも、魂は踏ん張って立ち続けることができます。

正しい魂の成長軌道から外れることはありません。

上記に挙げたものは、普遍の霊的真理である「法」です。

逆に言えば、「法」の秩序が弱ったとき、魂はいとも簡単に、成長軌道を降りることとなってしまいます。

ですから、悪魔の話で一番大切な本質は、次のことです。

悪魔の話で一番大切なこと

それは、外側にある何か、自分を脅かす何かを怖がったりすることではありません。

あるいは、外側の戦いに答えがあり、悪魔的なものを撲滅して勝てば良い、という話でもありません。

大事なのは次の2つです。

自分の内側で「立つ力」を忘れないこと

中庸であり続ける、その「バランス感覚を養う意志」を決して捨てないこと

これが、このお話の一番大切な本質なのです。

この本質を見失わなければ、あなたは間違った方向へ自分を運ぶことはありません。

それは、人生を良い方向へ持っていくために無理やりなんとかする、という状態ではありません。

因果の成り行きの中で自然と良い現実が立ち上がってくる。

そして何かに極端に偏らない、という状態です。

悪魔という存在を知る上では、いかにもおどろおどろしいものが悪魔だ、のようにイメージで決めつけることなく、

悪魔とは、「魂を正しい成長軌道から降ろす働き」そのものの機能

だと捉えてください。

そして、それが私たちの心の隙間に巧妙に忍び込む、その構造を理解し、

自分の内側のバランス感覚を育て続けることを、何より大切にしてください。

次回は、悪魔の機能がどのように「法」を弱らせ、魂を成長軌道から降ろしていくのかについて、より具体的に整理していきます。

※参考として、トリイ・ヘイデン著『幽霊のような子』の書籍ページを載せておきます。

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