ここでは、霊的真理を理解するための上位概念として「悪魔」を取り扱っていきます。
内容は、具体的に自分のこととして当てはめて読むというより、抽象的な概念が中心になります。
ただ、読み進めるうちに点と点がつながり、あとから立体的に理解できるはずです。
悪魔は「邪悪 vs 聖なるもの」という単純構造ではない
悪魔という言葉を聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか。
もしかしたら、どこかおとぎ話やフィクション、宗教で使われる象徴のように感じる人もいるかもしれません。
しかし、Yuukaの霊的視点では、悪魔は想像以上に、現代のわれわれの生活に、深く密着している存在です。
また、悪魔というと、悪魔と天使、そして「邪悪 vs 聖なるもの」という図式を想像するかもしれません。
ですが、そのような「邪悪 vs 聖なるもの」という単純構造で捉えると、本質を見失います。
ここで扱う悪魔は、表面的にわかりやすい善悪っぽさではなく、「魂を正しい成長軌道から降ろす働き」という機能の話です。
中庸とは、その外れた軌道から離れて、ちゃんと真ん中に立ち戻る力だと捉えてください。
この記事では、「悪魔の構造」と「その機能」を、できるだけわかりやすく整理します。
魂を正しい方向へ成長させていくための「構造の理解」として、活用してください。
いかにも邪悪で暴力的なものだけではない
悪魔的存在(災いをもたらすとされる霊的存在)の概念は、古代の宗教や神話を見ても繰り返し登場してきました。
歴史をさかのぼると、悪魔的なものへの信仰が、人々の生活に入り込んできた形跡もあります。
(いわゆる悪魔崇拝など)
つまり、悪魔的存在の概念は、古代から今日まで、普遍的に扱われているということです。
ここで一つ、Yuukaが10代の頃に読んで衝撃を受けた本があります。
トリイ・ヘイデン著『幽霊のような子』です。ノンフィクションとして書かれています。(書籍ページは本文末に置いておきます)
この本には、悪魔崇拝の家庭で行われる儀式や、その儀式によって心が支配されていく様子が、痛ましい形で描かれています。
読んでいて息が詰まるような内容で、まだ10代だった私は、当時衝撃を受けました。
ここで大事なのは、「悪魔の働きは、このような露骨に暗くて分かりやすい形だけではない」ということです。
実際の悪魔的構造は、いかにも邪悪で暴力的なものから、一見するとむしろ仏様のように見えるものまで、幅が広いのです。
「いかにも悪そうなもの」だけに悪魔のイメージを持っている限り、本当の悪魔的構造を見抜くことはできません。
悪魔という存在を知るうえで覚えておいて頂きたいのが、
「魂を正しい成長軌道から降ろす働き」が、どのように私たちの心の隙に忍び込むのか
これを、マクロの構造として正しく捉えることです。
悪魔は「機能そのもの」
悪魔というと、意思を持った一つの「人格」のように思われるかもしれませんが、そうではありません。
「それ自体」は意思のないエネルギー体であり、「機能そのもの」です。
何かにそのエネルギーが宿ったり、集団の意向や、場の空気感として働いたりすることで、現実の中に具体的な作用として現れるものです。
そしてその機能は、「魂の成長システムを根本から止める」ベクトルへ向かわせる働きがあります。
常に働く「重力」のようなもの
たとえば、地球上に常に働く重力のように、悪魔のエネルギー体は常に働く機能です。
目に見えなくても、感じなくても、全ての魂がその「悪魔の重力」の影響を受けて生きている、ということです。
地球上では、筋肉がなければ重力に抗って立つことはできませんよね。
踏ん張れないし、そのまま倒れていってしまいます。
それと同じです。
悪魔の重力に抗う力がなければ、気づかないうちに傾いてしまいます。
魂はまっすぐに立つことはできません。
では何が、魂にとって「まっすぐに立つ筋肉」なのでしょうか。
それが
自ら秩序を守り、調和しようとする力。
極端へ走らず、中心感覚を思い出し、中庸に立ち戻ろうとする力。
です。
この力がある限り、悪魔の重力の中でも、魂は踏ん張って立ち続けることができます。
正しい魂の成長軌道から外れることはありません。
上記に挙げたものは、普遍の霊的真理である「法」です。
逆に言えば、「法」の秩序が弱ったとき、魂はいとも簡単に、成長軌道を降りることとなってしまいます。
ですから、悪魔の話で一番大切な本質は、次のことです。
悪魔の話で一番大切なこと
それは、外側にある何か、自分を脅かす何かを怖がったりすることではありません。
あるいは、外側の戦いに答えがあり、悪魔的なものを撲滅して勝てば良い、という話でもありません。
大事なのは次の2つです。
自分の内側で「立つ力」を忘れないこと
中庸であり続ける、その「バランス感覚を養う意志」を決して捨てないこと
これが、このお話の一番大切な本質なのです。
この本質を見失わなければ、あなたは間違った方向へ自分を運ぶことはありません。
それは、人生を良い方向へ持っていくために無理やりなんとかする、という状態ではありません。
因果の成り行きの中で自然と良い現実が立ち上がってくる。
そして何かに極端に偏らない、という状態です。
悪魔という存在を知る上では、いかにもおどろおどろしいものが悪魔だ、のようにイメージで決めつけることなく、
悪魔とは、「魂を正しい成長軌道から降ろす働き」そのものの機能
だと捉えてください。
そして、それが私たちの心の隙間に巧妙に忍び込む、その構造を理解し、
自分の内側のバランス感覚を育て続けることを、何より大切にしてください。
次回は、悪魔の機能がどのように「法」を弱らせ、魂を成長軌道から降ろしていくのかについて、より具体的に整理していきます。
※参考として、トリイ・ヘイデン著『幽霊のような子』の書籍ページを載せておきます。


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